令和4年度第二種電気工事士試験に合格することができました!
電気業界とはかけ離れた仕事をフルタイムでこなしつつ、約4か月コツコツと独学した結果が実りとても嬉しいです。
本記事では電気業界未経験の僕が仕事しながら独学で第二種電気工事士合格までにやってきたことをまとめたいと思います。
同じように未経験から独学で挑戦しようと思っている方や、仕事後の時間を利用して勉強しようと思っている方の参考になれば幸いです。
ちなみに僕の簡単なプロフィールをまとめておきます。
- 年齢:32歳(合格時)
- 家族:妻と息子1人(筆記試験受験時はまだ3ヶ月で育休中。寝かしつけた後の時間で勉強…)
- 学歴:地方国立大理系卒(理系ですが電気や物理は超苦手)
- 受験前の心境:マイホームのスイッチをオシャレにしたかったのが受験動機、不器用ではないしDIYは好きだが技能試験がとても不安。
第二種電気工事士試験の概要
まずは簡単に第二種電気工事士合格のために突破すべき試験の概要を簡単に解説します。
試験は年二回(上期:5月頃 下期:10月頃)ありそれぞれ筆記試験と技能試験があります。
筆記試験がまず先行して行われ、その合格者のみが技能試験へと進むことができます。
筆記試験の合格率は60%ほどですが、ちゃんと対策すれば必ず合格できる試験だと思います。
実際の試験会場では『めんどくせえな~』と言いながら受験するやる気のなさそうな方がたくさんいるようでした(勤めている会社に無理やり受けさせられているらしい)。
筆記試験の合格率の低さはこのような方達が影響している気がします。
独学で受験しようと考えるハングリーな方なら筆記試験はそこまで難しく感じないかと思います。
そして技能試験の合格率は70%ほど。
個人的には電気工事は完全に未経験だったので技能試験の方がハードルは高く感じました。
しかしテキストに沿って勉強と練習を重ねることでこちらも合格できる力は必ず身につきます(経験談)。
ちなみに技能試験が不合格だった場合、一回のみ筆記試験が免除で再受験可能です。
筆記試験対策
まずは僕がやってきた筆記試験対策についてまとめます。
前述しましたが、筆記試験は決して難しくはありません。
落とすための試験ではなく、必要最低限のことを勉強してきたか確認するだけの試験のように感じます。
一日の勉強時間と期間
一日の勉強時間は30分から1時間程度でした。
平日は仕事が終わって帰宅後に時間を作り、休日は子供が寝た後の時間を利用しました。
疲れている時や、どうしても時間が取れない時を除いてほぼ毎日、平均して週6日の勉強です。
勉強期間は約2ヶ月です。
勉強を始めて1ヶ月半位した頃にはかなり自信がついてきました。
筆記試験対策は2ヶ月あれば余裕を持って進められると思います。
使用したテキスト
僕が使用したテキストは『ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格』になります。
非常にわかりやすい解説で、未経験の僕でも安心して読み進められました。
必要以上の知識は入れず、合格への最短コースを進むのに最適のテキストです。
テキストはこれだけで十分です。この一冊だけしっかり勉強すれば確実に合格できます。
ちなみに僕はメルカリで3年度前のテキストを購入しましたが全く問題なく合格できました。
費用を抑えたい方はメルカリでちょっと古めのテキストでもいいかもですね。
このテキストに合わせて過去問集があれば鬼に金棒です。
『すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問』がオススメです。
上記テキストの過去問バージョンです。
こちらもメルカリでいいかもしれませんが、最新の出題傾向をつかむために最新版が安心です。
勉強方法
では具体的な僕なりの勉強方法をご紹介します。
テキストをサラッと一周読む
まずは『ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すい~っと合格』をサラッと一周読み進めました。
今まで触れたことのない業界の内容なので楽しく読んだことを思い出します。
この段階では暗記とかはせずに、ざっくりこんな内容なんだ~と全体像を掴むことだけ意識しました。
一日一章分を30分~1時間かけて読みましたが、全部で7章あるので1週間ほどで読み終えられます。
テキストを一章ずつ深めに勉強していく
テキストを一周全部読み終えたら、次は各章ごとにもう少し深く勉強していきました。
暗記すべき内容も一度しっかり頭に入れながら、一日一章分を目標に進めていきます。
これも一日1時間程度でした。
暗記したことは何度も忘れましたが、何回も繰り返していくうちに定着しましたね。
勉強に時間のかかる章もあるので、10日でテキスト一周くらいのペースだったと思います。
テキストは2周しました。
ざっくり一周(1週間)+ 深めに2周(20日)で約1ヶ月ほどかかり、この頃には合格できるかも!と自信もついてきます。
動画解説を利用する
勉強をするうちにどうしてもテキストの解説だけではわからないところも出てきます。
僕の場合は電気理論でした。
そんな時は日本エネルギー管理センター事務局が運営するYouTubeチャンネルの動画解説を見るのがオススメです。
この動画めちゃくちゃわかりやすいです。本当に助かりました。
やさしく学ぶ電気工事士シリーズという動画まとめがあるのでそこからわからないところだけでも見ると理解が深まります。
過去問を解く
テキストの内容がだいたい頭に入って少し自信がついてきた頃に過去問に取り掛かりました。
何問も解いているうちに、これよく出る問題だな~またこれか~と傾向がつかめてきます。
過去問を一周し、テキストを一周復習しなおしたら、残り時間の許す限り過去問を解きました。
問題傾向は大きく変わらないのでとにかく過去問に慣れておけばなんとかなります。
筆記試験本番
筆記試験の二週間程前になると、受験票が送付されてきます。
事前に会場を確認して、行き方も調べておくとよいと思います。
試験当日、会場に行ってみると老若男女問わずたくさんの人で受付の列ができていました。
『この試験何回受けなきゃなんないんだよ』とか『めんどくさいな~』とかいろいろ聞こえてきます。
僕の受験会場は、学生時代の母校でもあったので懐かしく感じながら受験しました。
ちょっと緊張はしましたが、2ヶ月の勉強で自信があったので割とすいすい解けたと思います。
自己採点では50点満点中47点。
30点取れれば合格なので、これは確実に通ったかなと一安心でした。
技能試験対策
無事筆記試験に合格すると次は技能試験になります。
個人的にはこの技能試験が一番不安でした。
今まで全くやったことのない作業で、一つでも欠陥があれば不合格になってしまうのでけっこうなプレッシャーです…
しかしここまできたらやるしかありません。
技能試験は作業に慣れるしかないと思い、これも毎日コツコツと練習しました。
僕なりの技能試験対策をまとめます。
対策期間
筆記試験終了から技能試験までは約2ヶ月あります。
僕は筆記試験が終わるまで技能試験対策は一切やらなかったので、2ヶ月の対策で技能試験は合格できます。
使用した技能試験対策セット
技能試験なので、実際に工具や器具が必要になります。
ホームセンターで買い揃えることも不可能ではありませんが、如何せん素人なのでセット商品が楽で安心です。
僕が購入したのはこちら。
実際の技能試験問題13問を2周できるセットになっています。
何周分を購入するか悩みましたが、1周だと不安だし3周するのは間に合わなさそうなので2周分にしました。
結果的に2周分でちょうどよかったです。
ちなみに筆記試験が終わってから早々に売り切れるので、筆記対策中に確実に受かる自信があれば早めに購入した方が確実です。
このセットには工具と器具とテキストがついています。
筆記試験の時にお世話になったテキストの技能試験版がセットになっており、相変わらずわかりやすいのでこれ一冊でOKです。
しかし盲点が一つ。セットの工具とテキストで使われている工具が違うのです。なぜ…
それがVVFストリッパーという工具になるのですが、これだけ追加購入を激しくオススメします!
買うべきはこちらのVVFストリッパー。
このVVFストリッパーならテキストと同じものになるのでテキストで解説されている作業テクニックをそのまま実践できます。
さらに芯線被覆を同時に複数本剥くことができるので作業時間の短縮にも効果があります。
セットに付属のVVFストリッパーは芯線被覆を一本ずつしか剥くことができないので作業時間が倍かかってしまいます…
追加で費用がかかってしまいますが、合格率アップは間違いないのでこのVVFストリッパーはおすすめです。
おすすめどころか必須と言っても過言ではありません。
練習方法
次に具体的な練習方法です。
技能試験は事前に公表される13問の中から試験問題が出題されます。
つまりこの13問をしっかりこなせるようになればいいわけです。
僕なりの練習方法をまとめます。
複線図を書けるようにする
複線図とは設計図のようなもので、技能試験時はまず与えられた問題を複線図に書き直す必要があります。
筆記試験時にすでに複線図の勉強はしていましたが、ここで再勉強して完璧に書けるようにしました。
複線図を書くには法則があるので、その法則通り書いていけば自然と出来上がります。
しかも問題は事前に公表されているので怖いことはありません。
テキストを読んで全体像を掴む
次に筆記試験時と同様にテキストをざっくり読んで全体像を掴みました。
どんな欠陥で不合格になるのか、どんな基本手技をできるようにしなければならないかざっくり掴みます。
試しに基本手技をやってみる
技能試験なので、やはり手を動かすのが一番です。
まずはテキストを見ながら習得しなければならない基本手技を実際にやってみました。
最初ははじめての作業なので手こずりましたが、楽しみながら作業していたと思います。
僕は『輪づくり』からやってみました。
全然うまくいかず、これは落ちるかも…なんて最初は思いましたがコツコツやっていれば段々と上手になってくるものなんですねこれが。
一つできたらまた一つ、順番に覚えていきました。
テキストを見ながらゆっくりと一問通してやってみる
基本手技にある程度慣れてきたら、テキストを見ながら一問通してやってみました。
時間を計りながら作業してみましたが、時間の足りなさに焦りましたね笑
でもそのうち間に合うようになるだろうと楽観的に考えるようにしました。
一問通して作業してみることで、試験の流れを掴めるし足りないスキルが浮き彫りになります。
一日一問本番と同様にやってみる
最初はテキストを見ながらだったのが、だんだんとテキストを見なくても作業を進められるようになってきます。
一日一問、本番と同じ条件で作業していきました。
全13問を2周できるセットなので、毎日休みなく1問やったとして26日かかります。
仕事で疲れてやる気の出ない日もあると思い、予備日含めて試験の約1ヶ月前からは一日一問を始めました。
一問解くたびにうまくいかなかった手技を練習したり、欠陥箇所を修正したりして少しずつ力がついていったと思います。
試験時間40分 + 苦手作業の練習や欠陥箇所修正で1日1時間ほど勉強しました。
技能試験本番
技能試験も試験日の二週間ほど前に受験票が送られてきました。
技能試験は苦手意識もあって緊張はしましたが、しっかりと準備はしてきたつもりだったので自分を信じて臨みました。
試験1か月前から本番と同様の条件で練習してきたことが功を奏し、落ち着いて作業できたのではないかと思います。
しかし自分が気付いていないところでミスを犯しているかもしれず、合格発表までは落ち着かない気持ちでしたね。
ちなみに合格発表は技能試験から1か月後なのでけっこう待ち遠しいです笑
資格取得までにかかった費用
独学で第二種電気工事士資格取得までにかかった費用をまとめます。
- 受験費用:9593円
- 筆記試験テキスト(メルカリ):500円
- 過去問:1078円
- 技能試験対策セット:35860円
- ツノダのVVFストリッパー:2593円
以上の内訳で合計49624円でした。
免状交付申請
試験に合格したら免状を申請する必要があります。
窓口に行くのが面倒だったので郵送で申請しました。
詳しくは『【北海道】第二種電気工事士の免状交付申請を郵送でやってみた』の記事をどうぞ。
第二種電気工事士取得後
試験に合格し免状が届くと念願だったオシャレスイッチへの交換作業に取り掛かりました。
我が家のリビング周りはJIMBOのNKシリーズというオシャレなスイッチにしたのですが、他のスイッチは標準仕様のままにしてしまったんですね。
詳しくは『【JIMBO】NKシリーズ(スイッチシングルセットNKS01008-3UF)を取り付けてみた!』の記事をどうぞ。
まとめ
僕が未経験から独学で仕事をしつつ第二種電気工事士合格までにやってきたことの全てをまとめてみました。
筆記試験、技能試験それぞれ2ヶ月の独学で合格することができました。
受験前は独学で合格できるのか、技能試験は未経験からでも受かるのかなどあれこれ考えてしまいましたが、結果的に合格することができて挑戦してよかったです!
この記事がこれから独学で試験に挑戦しようと思っている方の参考になれば幸いです。
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